アーチェリーの弦

アーチェリーの弦

アーチェリーの弦は、弓の性能や射手の好みに合わせてさまざまな素材や構造が利用されています。以下に、一般的なアーチェリーの弦の特徴を紹介します。

 

 

素材

弦の素材は、性能や耐久性に大きな影響を与えます。一般的な素材には、ダクロン(ポリエステル)、ケブラー、ベクタラン、ダイニーマ(スペクトラ)などがあります。

 

ダクロン(ポリエステル)

伸縮性があり、耐久性に優れていますが、速度がやや劣ります。主にリカーブボウで使用されます。

 

ケブラー

軽量で強度が高いですが、耐久性に劣るため、短期間で交換が必要です。コンパウンドボウで使用されることがありますが、現在はあまり一般的ではありません。

 

ベクタラン

耐久性に優れ、伸縮性が低いため、速度が向上します。コンパウンドボウやリカーブボウで使用されます。

 

ダイニーマ(スペクトラ)

軽量で強度が高く、伸縮性が低いため、速度が向上します。現在最も一般的に使用される素材で、リカーブボウやコンパウンドボウで利用されます。

 

構造

弦は、一般的には複数の素材が撚り合わされて作られています。撚りの数や張り具合によって、弦の性能や射手の好みが異なります。

 

 

張力

弦の張力は、弓の引き心地や矢の飛行速度に影響します。張力が高いほど速度が向上しますが、弓が手にかかる力が増え、引き心地が悪くなることがあります。

 

サービング

弦には、磨耗や損傷を防ぐために、中央部分や端部分にサービング(補強糸)が巻かれています。サービングは、弦の耐久性を向上させるとともに、射手の手に伝わる振動を軽減します。

 

ノックポイント

弦には、矢のノック(弦にかける部分)の位置を示すためのノックポイントが設定されます。ノックポイントは、正確な矢の位置を保つことで、矢の飛行安定性や射手の精度に影響します。ノックポイントは、通常、金属製のクリップや結び目、もしくはサービングを利用してマークされます。

 

シルエンサー

弦には、音や振動を軽減するためのシルエンサーが取り付けられることがあります。シルエンサーは、特に狩猟用の弓で重要視される機能です。シルエンサーには、ウィスカー・シルエンサー、リム・セーバー、スパイラル・シルエンサーなど、さまざまなタイプがあります。

 

 

 

アーチェリーの弦は、定期的にメンテナンスが必要です。弦にワックスを塗布し、摩耗や損傷を防ぐことが重要です。また、弦の状態を常に確認し、磨耗や損傷がある場合は交換が必要です。弦の選択やメンテナンスは、アーチェリーの精度や安全性に大きく寄与するため、正しい選択と適切なケアが重要です。